ヘンリー・コール卿とクリスマスカードとネズミ

世界なき頭脳

ヘンリー・コール卿

ヘンリー・コール卿(Sir Henry Cole FRSA、1808年7月15日 – 1882年4月18日)は、イギリスの公務員、発明家であり、19世紀のイギリスにおいて商業と教育の分野で多くの技術革新を推進した人物である。

具体的には郵便制度の近代化、アルバートホールの建設、1851年の第一回万国博覧会の準備、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の開館を監督した。コールは何よりも「生活の美化」を目指し、余暇にはボンド・ストリートで家庭用の装飾品を専門に扱う美術店を営んでいた

またコールは、1843年に世界初の商業用クリスマスカードを発表したことでも有名である

世界で最初のクリスマスカード

https://en.wikipedia.org/wiki/Christmas_card#/media/File:Firstchristmascard.jpg

ールは忙しくて個人的にクリスマスのを挨拶状を書く暇がなかったため、ロンドンの有名な画家ジョン・カルコット・ホースリーに依頼して、知人全員に送れるようなカードをデザインしてもらったのです。
このカードは、クリスマスの宗教的な象徴を利用したものでした。
カードには、貧しい人に食べ物を与え、裸の人に衣服を与えるという美徳が描かれています。
また、貞節の象徴であるヒイラギの小枝や、神が歩まれた場所の象徴であるツタなどを、ホースレーはデザイン全体に描いています。
それでも、このカードは、ワイングラスを掲げて乾杯する家族の姿が描かれていたため、禁酒法団体から批判を浴びることになりました。この論争が、クリスマスカードを送る習慣の普及に一役買ったという見方も多い。

なおこのクリスマスカードは1000部印刷され、現存するのは12枚ほどと見られている。
その内の一枚、コールが叔母に送ったものが2011年にオークションに掛けられ22,500ポンド(約3700万円)で落札されている

ネズミのミイラ

1830年代、ヘンリー・コールは、国の最も重要な文書が劣悪な状態にあることに衝撃を受け、後に公文書館(現在の国立公文書館)として知られるようになる改革を先駆的に進めました。
コールは、文書の中に噛み砕かれた紙が胃袋いっぱいに詰まった、ミイラ化したネズミの死体を見つけ、このネズミを記録文書の保管状態の悪さを証明する証拠として使用しました。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sir_Henry_Cole%27s_rat.jpg

現在、国立公文書館のショップでSir Henry Cole’s Rat Soft Toyとして、ネズミのおもちゃが販売されているのには、こういう理由があるのです。

https://shop.nationalarchives.gov.uk/products/soft-toy-tna-rat-5577

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